Japanese
English
症例報告
多発性石灰化上皮腫の1例
A case of multiple calcifying epithelioma
田中 弘子
1
,
青笹 尚彦
1
,
杉森 彩香
1
,
小原 明希
1
,
野々垣 彰
1
,
玉木 毅
1
,
瓜生 英子
2
Hiroko TANAKA-MIZUTSUGU
1
,
Naohiko AOZASA
1
,
Ayaka SUGIMORI
1
,
Aki KOHARA
1
,
Akira NONOGAKI
1
,
Takeshi TAMAKI
1
,
Hideko URYU
2
1国立国際医療研究センター病院皮膚科
2国立国際医療研究センター病院小児科
1Division of Dermatology, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Pediatrics, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
石灰化上皮腫
,
多発性
,
筋強直性ジストロフィー
,
家族性
Keyword:
石灰化上皮腫
,
多発性
,
筋強直性ジストロフィー
,
家族性
pp.701-706
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206765
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要約 11歳,女児.4歳時に左上腕石灰化上皮腫の切除歴がある.6歳頃から左側頸部に1か所,後頸部に2か所,右上腕に1か所の計4か所に皮下腫瘤が出現し,増大したため当科を紹介受診した.4か所とも可動性良好,弾性硬の皮下腫瘤であり,全切除を施行,病理所見より,多発性石灰化上皮腫と診断した.母親にも多発性石灰化上皮腫の既往がある.自験例の既往歴は気管支喘息のみで,出生,発達段階で異常を指摘されたことはなく,術後6か月経過した現時点で石灰化上皮腫の新生や再発はなく,全身状態にも問題はない.石灰化上皮腫は稀ではないが,多発例は筋強直性ジストロフィーをはじめとした先天性疾患を合併する報告があるため,家族歴の確認が大切であり,切除後も先天性疾患に伴う症状が出現しないか慎重な経過観察が必要である.
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