Japanese
English
症例報告
陰茎縫線囊腫の1例―ムコ物質の組織化学的検討を併せて
A case of median raphe cyst with histochemical analysis of mucosubstance
小野 与里子
1
,
足立 秀禎
2
,
鈴木 伸吾
2
Yoriko ONO
1
,
Hidesada ADACHI
2
,
Shingo SUZUKI
2
1岐阜県立多治見病院皮膚科
2豊田厚生病院皮膚科
1Division of Dermatology, Gifu Prefectural Tajimi Hospital, Tajimi, Japan
2Division of Dermatology, Toyota Kosei Hospital, Toyota, Japan
キーワード:
陰茎縫線囊腫
,
傍外尿道口囊腫
,
アポクリン汗腺
,
ムコ物質
,
組織化学
Keyword:
陰茎縫線囊腫
,
傍外尿道口囊腫
,
アポクリン汗腺
,
ムコ物質
,
組織化学
pp.23-27
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103860
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要約 2歳,男児.2010年5月末頃から,陰茎先端の縫線上に,3mm大で透過性を有する常色小結節が出現した.病理組織学的に表皮と連続性のない単房性の囊腫構造を認め,単層立方および多列円柱上皮細胞で被覆された囊腫壁の一部に断頭分泌様所見を認め,陰茎縫線囊腫と診断した.陰茎縫線囊腫は,その発生部位や組織学的所見の類似から傍尿道口囊腫,アポクリン汗囊腫との鑑別が難しいとされる.免疫染色とムコ物質の糖鎖の染色を行った結果,GCDFP-15,CD15,SMAは陰性で,また,囊胞壁のムコ物質はシアル酸を含むシアロムチンが主体で,傍尿道口囊腫やアポクリン腺では硫酸基を有するスルフォムチンが優勢であることから,これらの染色の併用が,陰茎縫線囊腫の診断に有用であると考えた.
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