マイオピニオン
小水常流如穿石
藤本 徳毅
1
Noriki FUJIMOTO
1
1滋賀医科大学皮膚科
pp.394-395
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206696
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今後の抱負,というテーマで原稿依頼をいただきましたので,思うところをつらつらと書いてみたいと思います.
1. 皮膚科の大きな可能性
どうして皮膚科を選んだのですか,と医学部の学生さんに尋ねられることがあります.学生時代には膠原病がなぜか気になる存在でした.皮膚科のカラーアトラスに膠原病疾患の写真が多く掲載されていたため,皮膚科に入ったら膠原病を診れるのか,なんて何の根拠もなく思っていました.また,皮膚科の入局説明会で,研究って面白いですか,と先輩に尋ねたところ,研究は大変だけど知的好奇心をくすぐられるよ,と言われたのが印象に残っていました.そのような理由で皮膚科を選んだ気がしますが,皮膚科に入局してみると,皮膚生検で診断はするけど膠原病の治療は内科に任せ,縫縮と植皮以外の手術は外科に依頼している,という状況でした.診断だけでなく治療も皮膚科でもっとしたらいいのに,と思っていましたが,他施設や他科に研修に行くほどの熱意もなく,研修医の2年間はあっという間に過ぎ去ってしまいました.
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