Japanese
English
症例報告
来日外国人女性に生じた皮膚腺病の1例
A case of scrofuloderma in a woman from the abroad
櫻田 芙美
1
,
河野 秀郎
1
,
夏秋 洋平
1
,
上村 知子
2
,
名嘉眞 武国
3
Fumi SAKURADA
1
,
Hideo KAWANO
1
,
Yohei NATSUAKI
1
,
Tomoko KAMIMURA
2
,
Takekuni NAKAMA
3
1公立八女総合病院皮膚科
2公立八女総合病院呼吸器内科
3久留米大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Yame General Hospital, Yame, Japan
2Division of Respirology, Yame General Hospital, Yame, Japan
3Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
キーワード:
皮膚腺病
,
皮下腫瘍
,
結核
Keyword:
皮膚腺病
,
皮下腫瘍
,
結核
pp.358-362
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206628
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要約 46歳,女性,フィリピン人.1か月前に出現した左鎖骨上窩から頸部にかけての熱感,発赤,腫脹を伴う皮下腫瘤を主訴に当科を受診した.エコー検査で同部位に膿瘍形成を認めたため皮膚生検を施行し,膿汁と皮膚を各種培養,遺伝子検査(PCR)に提出したところ結核菌が同定された.病理組織所見では,真皮内に形質細胞,リンパ球,好中球,好酸球を含む多彩な炎症細胞浸潤と真皮深層に乾酪壊死を認めた.血液検査所見では結核菌特異的インターフェロン-γ産生が陽性であり,皮膚腺病と診断した.胸部CT検査を施行したところ右上葉S2,左下葉S6に結節影を認め,肺結核を合併していた.喀痰培養からは抗酸菌陰性であり,隔離は行わずにピラジナミド,イソニアジド,リファンピシン内服で加療開始した.眼科受診後からエタンブトール投与も開始する予定であったが,受診が途絶えその後の経過は不明である.自験例のように来日した外国人における皮膚結核は今後も増加する可能性があり,皮下腫瘍や皮膚潰瘍を診察する際は皮膚結核も鑑別に挙げ培養検査を検討すべきであると考えた.
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