連載 症例をどうみるか
前頭洞癌化学放射線治療後に長期間経過して発生した前頭洞皮膚瘻孔の1例
波多野 孝
1
,
荒井 康裕
1
,
二宮 啓彰
1
,
折舘 伸彦
1
Takashi Hatano
1
,
Yasuhiro Arai
1
,
Hiroaki Ninomiya
1
,
Nobuhiko Oridate
1
1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
前頭洞癌
,
前頭洞皮膚瘻孔
,
有茎骨膜弁
Keyword:
前頭洞癌
,
前頭洞皮膚瘻孔
,
有茎骨膜弁
pp.445-449
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000537
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はじめに
前頭洞の排泄路である前頭洞排泄路(Frontal sinus drainage pathway:FSDP)が閉塞した場合,炎症性の浸出液や膿は前頭洞内に貯留し,前頭洞炎を生じる1)。炎症が持続すると,前頭洞の前壁に壊死が生じ瘻孔を形成する場合があるが,その頻度は稀である。今回われわれは,前頭洞癌に対して化学放射線治療後に10年経過して発症した前頭洞皮膚瘻孔の症例を経験したため,文献的考察を加え報告する。
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