Japanese
English
症例報告
木炭の燃焼による放射伝熱で受傷した大腿部深達性熱傷(radiant heat injury)の1例
A case of deep burn of the thigh caused by radiant heat from burning charcoal
北野 佑
1
,
小室 明人
2
,
岡村 愛
2
,
中堀 イリス
1
,
澤田 知佐
1
,
和薬 孝昌
3
,
濱口 儒人
1
,
松下 貴史
1
Tasuku KITANO
1
,
Akito KOMURO
2
,
Ai OKAMURA
2
,
Irisu NAKABORI
1
,
Tomoyo SAWADA
1
,
Takamasa WAYAKU
3
,
Yasuhito HAMAGUCHI
1
,
Takashi MATSUSHITA
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚分子病態学
2金沢大学附属病院形成外科
3公立松任石川中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University, Kanazawa, Japan
2Division of Plastic and Reconstructive Surgery, Kanazawa University Hospital, Kanazawa, Japan
3Division of Dermatology, Public Central Hospital of Matto Ishikawa, Matto, Japan
キーワード:
深達性熱傷
,
放射伝熱
,
radiant heat injury
,
骨露出
,
遊離皮弁
Keyword:
深達性熱傷
,
放射伝熱
,
radiant heat injury
,
骨露出
,
遊離皮弁
pp.107-112
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206573
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要約 40歳台,女性.密室で木炭を燃焼中に一酸化炭素中毒で意識消失し,熱源と非接触性に大腿部に体表面積3%の熱傷を受傷した.受傷14日に深達性と判断され,外科的治療のため前医より転院した.同日,全麻下で壊死組織を筋膜上で切除し,筋層は浮腫状に変性していたが微小出血を認めたため温存した.しかし壊死は進行性で,分界がつくまで3週間を要した.最終的に大腿骨が露出し,受傷後2か月に遊離広背筋皮弁で被覆した.近年,固形燃料での非接触性深達性熱傷例が散見され,放射伝熱によるradiant heat injury(RHI)として報告されている.今回RHIと考えられた大腿部深達性熱傷例を経験した.RHIでは,初期に壊死範囲が不明瞭で,壊死が進行性であるため分界までに数週間を要する点に注意すべきである.複数回のデブリードマンを必要とし,最終的に骨露出を伴うこともあるため,専門施設での治療も念頭に置くべきと考えられた.
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