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症例報告
塩化トリメチルアンモニウムメチレン含有家畜用消毒薬(パコマL®)の自己注射による軟部組織損傷の1例
A case of soft tissue injury due to self-injection of trimethylammoniummethylene chloride-containig disinfectant for livestock(Pakoma L®)
松谷 泰祐
1
,
金田 和宏
1
,
本間 大
1
,
山本 明美
1
Taisuke MATSUYA
1
,
Kazuhiro KANETA
1
,
Masaru HONMA
1
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
1
1旭川医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
キーワード:
パコマL®
,
自己注射
,
デブリードマン
,
自殺企図
Keyword:
パコマL®
,
自己注射
,
デブリードマン
,
自殺企図
pp.1107-1110
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206541
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要約 47歳,男性.自殺目的に家畜用消毒剤である10%塩化トリメチルアンモニウムメチレン(パコマL®)の原液約10mlを左肘窩皮下に自己注射した.その後,徐々に発赤・腫脹,疼痛が強くなり,同日昼に近医を受診した.ステロイド外用・補液を行われ帰宅したが症状が悪化したため,救急搬送された.初診時は左肘窩から上腕遠位1/2までの暗赤色の紅斑と腫脹を認めていたが,翌日には注射部位に水疱を形成し,紅斑・腫脹も近位側に拡大したため,デブリードマンを行った.腫脹部位皮下に著明な浮腫と,注射部位を中心として筋膜・筋組織の広範囲な壊死を認め,壊死組織の除去と洗浄を行った.術後速やかに,発赤・腫脹は改善し,外用剤処置,陰圧閉鎖療法で肉芽を形成させ分層植皮術を施行し,強い拘縮は残ったが患肢を温存しえた.中毒性薬剤による軟部組織損傷患者においては使用した薬剤を速やかに特定し,早急にデブリードマンを施行すべきである.
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