Japanese
English
症例報告
被膜を有する腫瘤を呈したCOL1A1-PDGFB癒合遺伝子陽性隆起性皮膚線維肉腫の1例
A case of encapsulated dermatofibrosarcoma protuberans with COL1A1-PDGFB fusion transcripts
野村 和加奈
1
,
本間 大
1
,
林 圭
1
,
金田 和宏
1
,
大石 泰史
1
,
上原 治朗
1
,
山本 明美
1
,
飯塚 一
1
,
八田 尚人
2
Wakana NOMURA
1
,
Masaru HONMA
1
,
Kei HAYASHI
1
,
Kazuhiro KANETA
1
,
Yasushi OISHI
1
,
Jiro UEGARA
1
,
Akemi YAMAMOTO
1
,
Hajime IIZUKA
1
,
Naohito HATTA
2
1旭川医科大学皮膚科学教室
2富山県立中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
2Department of Dermatology, Toyama Prefectural Central Hospital, Toyama, Japan
キーワード:
隆起性皮膚線維肉腫
,
Ⅰ型コラーゲン
,
血小板増殖因子
Keyword:
隆起性皮膚線維肉腫
,
Ⅰ型コラーゲン
,
血小板増殖因子
pp.1079-1084
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103488
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要約 41歳,男性.10年間で徐々に増大した左背部の皮内腫瘤を主訴に当科を紹介され受診した.80×60mmの下床との可動性良好な表面に毛細血管拡張を伴う境界明瞭な腫瘤を認めた.全摘した腫瘍は被膜様構造を有し,周囲組織との境界は肉眼的には明瞭であった.病理組織像では軽度核異型を示すCD34陽性の紡錘形細胞が増殖しており,一部被膜外へも浸潤していた.COL1A1-PDGFB癒合遺伝子も検出され,隆起性皮膚線維肉腫と診断した.追加切除標本では皮下脂肪織へのCD34陽性の腫瘍細胞の浸潤を認めた.被膜様構造を有する隆起性皮膚線維肉腫の本邦報告例は自験例を含めて3例のみであり,被膜外への浸潤を認めたものは本症例のみである.境界明瞭な症例においても切除マージンの設定には十分な注意が必要である.
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