Japanese
English
症例報告
市販外用薬中のジフェンヒドラミンによる接触皮膚炎症候群の1例
A case of contact dermatitis syndrome caused by diphenhydramine in an OTC ointment
布井 春佳
1
,
伊藤 崇
1
,
田中 博子
1
,
定本 真梨子
1
,
守井 茅
1
,
吉濵 絵理
1
,
鷲崎 久美子
1
,
橋本 由起
1
,
森山 ゆうき
1
,
岩切 加奈
2
,
石河 晃
1
Haruka NUNOI
1
,
Takashi ITO
1
,
Hiroko TANAKA
1
,
Mariko SADAMOTO
1
,
Kaya MORII
1
,
Eri YOSHIHAMA
1
,
Kumiko WASHIZAKI
1
,
Yuki HASHIMOTO
1
,
Yuuki MORIYAMA
1
,
Kana IWAKIRI
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2矢代皮膚科医院
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Yashiro Dermatology Clinic, Yokohama, Japan
キーワード:
ジフェンヒドラミン
,
ジフェンヒドラミン塩酸塩
,
接触皮膚炎
,
接触皮膚炎症候群
,
成分パッチテスト
Keyword:
ジフェンヒドラミン
,
ジフェンヒドラミン塩酸塩
,
接触皮膚炎
,
接触皮膚炎症候群
,
成分パッチテスト
pp.945-949
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206507
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要約 77歳,女性.両大腿内側の瘙痒性紅斑に市販外用薬を外用したところ,小水疱を伴う紅斑と紅色丘疹が頭皮や手指を含めた全身に拡大した.接触皮膚炎を疑いパッチテストを実施したところ,市販外用薬が陽性を呈した.原因物質を特定する目的で行った成分パッチテストではジフェンヒドラミンが陽性を呈し,市販外用薬に含まれるジフェンヒドラミンによる接触皮膚炎症候群と診断した.ジフェンヒドラミンはヒスタミンH1受容体遮断薬であり,内服薬,外用薬として医療用医薬品だけでなく市販薬として汎用されている.しかし,ジフェンヒドラミンによる接触皮膚炎の報告は少ない.接触皮膚炎を疑い,パッチテストで複数の有効成分が含まれる製品が陽性となった場合は,さらに成分パッチテストを実施し原因成分を同定することで,同一成分を含有する他の製品での再発を予防することが可能となる.
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