Japanese
English
症例報告
SLURP-1遺伝子変異を伴うMeleda病の日本人例
A Japanese case of mal de Meleda with a mutation in the SLURP-1 gene
村岡 響子
1
,
原 知之
1
,
大橋 理加
1
,
辻岡 馨
1
,
金澤 伸雄
2
,
中野 創
3
Kyoko MURAOKA
1
,
Tomoyuki HARA
1
,
Rika OHASHI
1
,
Kaoru TSUJIOKA
1
,
Nobuo KANAZAWA
2
,
Hajime NAKANO
3
1日本赤十字社和歌山医療センター皮膚科
2和歌山県立医科大学皮膚科
3弘前大学大学院医学研究科皮膚科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
2Department of Dermatology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
3Department of Dermatology, Hirosaki University Graduate School of Medicine, Hirosaki, Japan
キーワード:
掌蹠角化症
,
Meleda病
,
SLURP-1遺伝子変異
Keyword:
掌蹠角化症
,
Meleda病
,
SLURP-1遺伝子変異
pp.687-692
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206448
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 70歳台,女性.両親は血族結婚をしており,兄に同様の症状があった.小児期から手足に限局する角化性紅斑を自覚しており,さまざまな治療を受けたが,難治であった.初診時,浸軟し肥厚した黄白色の角質で覆われ,手掌足底を越えて手指背や足背,アキレス腱部にも拡がるびまん性紅斑を認めた.両側第5指DIP関節は屈曲拘縮をきたしていた.遺伝子検査でSLURP-1遺伝子に既知のミスセンス変異(c. 211C>T,p. R71C)のホモ接合が検出され,Meleda病と診断した.エトレチナートの内服により手掌足底の白色角化病変は改善した.従来,Meleda病はヨーロッパからの報告が中心であったが,最近東アジア諸国から遺伝子診断確定例が次々と報告されている.本邦では遺伝子診断で確定した症例はまだ少ないが,Meleda病は長島型掌蹠角化症に類似する点が多いため,これまで臨床的に誤診されていた症例もあると推測される.しかし,症状を注意深く観察すると,両者は十分鑑別可能であると考えられた.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.