Japanese
English
原著
日光角化症に生じたTrichilemmomal Carcinoma
A Case of Trichilemmomal Carcinoma with Actinic Keratosis
高田 育子
1
,
岸本 三郎
1
,
池田 佳弘
1
,
小林 和夫
1
,
安野 洋一
1
Ikuko TAKADA
1
,
Saburo KISHIMOTO
1
,
Yoshihiro IKEDA
1
,
Kazuo KOBAYASHI
1
,
Hirokazu YASUNO
1
1京都府立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
日光角化症
,
trichilemmomal carcinoma
Keyword:
日光角化症
,
trichilemmomal carcinoma
pp.469-472
発行日 1991年6月1日
Published Date 1991/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900382
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80歳,女性の右外眼角外方に24×18mmの赤褐色斑上に14×12mmの疣贅状腫瘤がみられ,この腫瘤は急速に隆起した.組織学的に腫瘤部では表皮と連続性に外方へ分葉状増殖を示した.腫瘍の外層では基底細胞様細胞が棚状配列を示し,中心部ではエオジン淡染性の有棘細胞様細胞またはclear cellがみられPAS染色陽性であった.明らかな角化はみられなかった.Pigment-blockade melanocyteが比較的多くみられたがsquamous eddiesはごく少数認めた.腫瘍基部では腫瘍細胞が真皮へ浸潤傾向を示し,細胞の配列の乱れや異型性も強く,細胞分裂像も散見された.以上より三島・堀の毛包腫瘍分類の内のtrichilemmomal carcinomaに相当すると思われた.一方,色素斑部は日光角化症と考えられ,pigmented型が主でその他苔癬型の組織像を認めたが,腫瘤との境界部も含め全体に異型性は軽度であった.顔面の日光角化症にtrichilemmomal carcinomaを生じた1例を報告した.
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