特集 真菌症
中学校の柔道部員とその友人に集団発生したTrichophyton tonsurans による白癬の5例
加倉井 真樹
1
,
梅本 尚可
2
,
安澤 数史
3
,
望月 隆
3
,
出光 俊郎
2
1加倉井皮膚科クリニック、DEMITSU,自治医科大学附属さいたま医療センター,皮膚科(主任:出光俊郎教授)
2DEMITSU,自治医科大学附属さいたま医療センター,皮膚科(主任:出光俊郎教授)
3金沢医科大学,皮膚科学講座(主任:望月隆教授)
キーワード:
皮膚糸状菌
,
運動部
,
体部白癬
,
頭部白癬
,
集団感染
Keyword:
皮膚糸状菌
,
運動部
,
体部白癬
,
頭部白癬
,
集団感染
pp.1101-1105
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000073
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同じ中学校に通学する13〜15 歳の男児4 例,女児1 例の頭部白癬2 例,体部白癬3 例を経験した。このうち3 例は柔道部員で,ほかの2 例は柔道部員の親しい友人であり,授業で柔道を習うことから休み時間などに技をかけあっていたという。全例病変部鱗屑のKOH直接鏡検が陽性で,4例は真菌培養でTrichophytontonsurans が分離された。1 例は治療中の頭部白癬患者で真菌培養不成功であったが,頭髪で毛内性大胞子寄生が確認された。頭部白癬例にはテルビナフィン塩酸塩の内服を,体部白癬にはルリコナゾールの外用を行い治癒した。部内感染,無症候性キャリア部員の存在,学級内感染なども懸念された。対策には患者の治療に加え,より広域的,効果的な広報活動が必要であると考えた。
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