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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
4.皮膚疾患治療のポイント
強皮症に伴うRaynaud現象・手指潰瘍に対するボツリヌス毒素局所注入療法
Botulinum toxin injection therapy for Raynaud's phenomenon and digital ulcers in systemic sclerosis
茂木 精一郎
1
Sei-ichiro MOTEGI
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
全身性強皮症
,
Raynaud現象
,
手指潰瘍
,
ボツリヌス毒素
Keyword:
全身性強皮症
,
Raynaud現象
,
手指潰瘍
,
ボツリヌス毒素
pp.115-119
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206348
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全身性強皮症の末梢循環障害に対しては,さまざまな血管拡張作用を有する薬剤による治療が行われているが難治な症例も多い.近年,A型ボツリヌス毒素の局所注入によってRaynaud現象や指尖部皮膚潰瘍が著明に改善したという症例が海外から数多く報告されている.われわれは,日本人においても強皮症のRaynaud現象・手指潰瘍に対するA型およびB型ボツリヌス毒素局注療法の有効性・安全性について,ランダム化二重盲検試験を含めたさまざまな臨床試験を行った.その結果,1回の局注で約4か月間にわたる有効性が得られ,問題となる副作用もみられなかった.しかし,ボツリヌス毒素局所注入療法は,強皮症のRaynaud現象や手指潰瘍に対しては保険適用がないため,今後の適用拡大が切望される.
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