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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
4.皮膚疾患治療のポイント
セルトリズマブ ペゴルの妊婦・授乳婦でのエビデンス
Evidence of certolizumab pegol during pregnancy and lactation
鎌田 昌洋
1
Masahiro KAMATA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
乾癬
,
セルトリズマブ ペゴル
,
胎盤通過性
,
乳汁移行性
Keyword:
乾癬
,
セルトリズマブ ペゴル
,
胎盤通過性
,
乳汁移行性
pp.106-109
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206344
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乾癬は鱗屑を伴い浸潤の触れる紅斑を呈する慢性皮膚疾患だが,関節炎や膿疱を伴うこともあり,妊娠中や授乳中においても生物学的製剤を必要とする症例もみられる.その際,妊婦・授乳婦への安全性だけでなく,生物学的製剤の胎児や授乳を受けている児への影響,特に安全性が懸念される.母体から児へのIgGの経胎盤移行は胎児性Fc受容体を介し行われるが,TNF-α阻害薬であるセルトリズマブ ペゴルはFc領域を欠くため,他のTNF-α抗体製剤とは異なり胎児性Fc受容体に結合できず,結果として胎児性Fc受容体を介した胎盤移行性が低い.また,乳汁移行性も非常に低いことが報告されている.外用療法でコントロール不良な重症乾癬皮疹や乾癬性関節炎,膿疱症乾癬をもつ妊娠可能年齢の女性,妊婦や授乳婦において,セルトリズマブ ペゴルは第一選択となりうる薬剤である.
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