Japanese
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症例報告
アダリムマブで治療した化膿性汗腺炎の2例
Two cases of hidradenitis suppurativa successfully treated with adalimumab
福田 将大
1,2
,
梅澤 慶紀
2
,
朝比奈 昭彦
2
,
唐川 大
1
Masahiro FUKUDA
1,2
,
Yoshinori UMEZAWA
2
,
Akihiko ASAHINA
2
,
Masaru KARAKAWA
1
1厚木市立病院皮膚科
2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Atsugi City Hospital, Atsugi, Japan
2Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
化膿性汗腺炎
,
アダリムマブ
,
重症度分類
,
評価
Keyword:
化膿性汗腺炎
,
アダリムマブ
,
重症度分類
,
評価
pp.327-333
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206310
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要約 症例1:39歳,男性.15年前から両腋窩などに排膿を伴った瘻孔の出現と消退を繰り返していた.化膿性汗腺炎(HS)と診断した.international hidradenitis suppurativa severity score system(IHS4)重症度分類では重症と判断された.来院時に蜂窩織炎を合併していたため抗菌薬を投与し,感染徴候が軽快した時点でアダリムマブ(ADA)を開始した.ADA投与後約4か月目で略治した.症例2:58歳,男性.2年前から左臀部に排膿を伴った瘻孔を認めた.IHS4は中等症であった.ADAとロキシスロマイシン(RXM)との併用を開始し,排膿は消失した.その後,RXMを休薬すると排膿が再発したため,RXMとの併用を再開し,治療約5か月目で略治した.従来のHS治療は,抗菌薬投与や外科的治療であった.自験例のように,IHS4は病勢を正確に評価でき,ADA単剤またはADAに抗菌薬などの従来の治療を併用することで,HS治療成績の向上が期待できる.一方,ADA治療で生じる医療経済上の課題について考える必要がある.
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