Japanese
English
症例報告
Becker母斑に合併した毛巣洞の1例
A case of pilonidal sinus associated with Becker's nevus
亀井 千紗都
1
,
東田 理恵
1
,
楠谷 尚
1
,
中川 浩一
1
,
服部 舞子
2
Chisato KAMEI
1
,
Rie TOHDA
1
,
Nao KUSUTANI
1
,
Koichi NAKAGAWA
1
,
Maiko HATTORI
2
1済生会富田林病院皮膚科
2橋本市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tondabayashi Hospital, Tondabayashi, Japan
2Division of Dermatology, Hashimoto Municipal Hospital, Hashimoto, Japan
キーワード:
毛巣洞
,
Becker母斑
,
大腿
Keyword:
毛巣洞
,
Becker母斑
,
大腿
pp.149-152
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206272
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要約 16歳,男性.約5年前より右大腿部屈側に淡い色素斑があった.半年前より同部に皮下腫瘤を自覚して,当科を紹介受診した.初診時,右大腿部屈側に広範囲の色素斑とそのほぼ中央に直径約2cmの皮下腫瘤を認めた.病変部の皮膚表面は乾燥しており,瘙痒を伴っていた.また,両大腿を比較すると,右大腿部に局所的な多毛(硬毛)を認めた.また,毛包に一致した丘疹も観察された.皮下結節部の超音波検査では,皮下から脂肪織間に境界明瞭な低エコーの領域を認め,内部に高輝度の線状エコー像が観察された.色素斑部の病理組織検査では,基底層に沿ってメラニン顆粒が増数し,真皮内膠原線維間に平滑筋の集塊を認めた.以上より,色素斑はBecker母斑,皮下腫瘤は毛巣洞と診断した.毛巣洞はBecker母斑の多毛が原因と考え,剃毛を指示したところ1年後には皮下腫瘤は消失した.Becker母斑に合併した毛巣洞の第1例を記載し,超音波検査の有用性について若干の考察を加えた.
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