Japanese
English
症例報告
遅発性に生じたトニックウォーターによる固定疹の1例
A case of late-onset fixed eruption due to tonic water
青木 孝司
1
,
川野 貴代
1
,
布袋 祐子
1
Koji AOKI
1
,
Takayo KAWANO
1
,
Yuko FUTEI
1
1荻窪病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
固定疹
,
トニックウォーター
,
キニーネ
,
負荷試験
,
遅発性
Keyword:
固定疹
,
トニックウォーター
,
キニーネ
,
負荷試験
,
遅発性
pp.13-16
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206242
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要約 24歳,男性.初診の半年前と1か月前に膝の紅斑,口唇の腫脹,軟口蓋の水疱形成を自覚したため当科を紹介され受診した.詳細な問診により,いずれの日もジントニックを飲んでいたことが判明し,トニックウォーターによる固定疹を疑った.As isのオープンパッチテストは陰性であったが,負荷試験は9時間後と遅発性に陽性となった.コーラなど他の炭酸飲料水の摂取では症状が出現しないことから,トニックウォーターに含まれるキニーネによる固定疹が考えられた.皮疹はステロイド外用約7日で色素沈着を残さず消退した.通常,キニーネによる固定疹は負荷試験で2時間以内に陽性となることが多いが,自験例は過去の報告と比較して長時間を要した.トニックウォーターによる固定疹を疑った場合は再現の時間に留意して負荷試験を実施することが必要であると考えた.
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