Japanese
English
症例報告
爪下神経鞘腫の2例
Two cases of subungual schwannoma
堀内 あゆみ
1,2
,
長谷川 道子
1
,
田村 敦志
1
Ayumi HORIUCHI
1,2
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
爪下
,
神経鞘腫
,
グロムス腫瘍
,
subungual schwannoma
,
neurilemmoma
Keyword:
爪下
,
神経鞘腫
,
グロムス腫瘍
,
subungual schwannoma
,
neurilemmoma
pp.309-314
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206619
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要約 症例1:33歳,男性.左第5指爪甲下に12×11mmの淡紅色結節があり,爪甲変形を伴っていた.MRIではT1強調像で低信号,T2強調像で高信号を示す造影効果のある腫瘤がみられた.症例2:21歳,女性.左第3指指尖から爪甲下にかけて9×5mmの弾性硬の結節があった.それぞれ,軟部腫瘍,グロムス腫瘍疑いで,指ブロック下に摘出した.病理組織像では2例とも,紡錘形の腫瘍細胞が密に増殖するAntoni A型と疎な間質内に腫瘍細胞が散在するAntoni B型の部分を認め,Verocay bodyもみられた.免疫染色では2例ともS100蛋白,SOX10が腫瘍細胞に陽性であり,神経鞘腫と診断した.神経鞘腫の爪下発生例は稀であり,過去16年間に国内外で7例報告されているに過ぎない.ほとんどが手指に発生し,臨床・画像所見は爪下グロムス腫瘍に類似するが,グロムス腫瘍が小型であるのに対し,爪下神経鞘腫はより大型で1cmを超えるものが多く,鑑別に役立つ所見と考えた.
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