Japanese
English
症例報告
Borst-Jadassohn現象がみられた色素性Bowen病から生じた有棘細胞癌の1例
A case of squamous cell carcinoma arising from Bowen's disease showing Borst-Jadassohn phenomenon
水野 清香
1
,
延山 嘉眞
1
,
朝比奈 昭彦
1
Sayaka MIZUNO
1
,
Yoshimasa NOBEYAMA
1
,
Akihiko ASAHINA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Borst-Jadassohn現象
,
色素性Bowen病
,
有棘細胞癌
Keyword:
Borst-Jadassohn現象
,
色素性Bowen病
,
有棘細胞癌
pp.1056-1060
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206221
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 74歳,女性.12年前に検診にて右鼠径部の結節性病変を指摘された.初診時,右鼠径部に紅色結節を伴う黒褐色で一部が紅色の局面を認めた.病理組織学的検査では,黒褐色局面で腫瘍細胞が表皮内に胞巣を形成して増殖し,腫瘍胞巣内に異型を伴う腫瘍細胞や多数のメラノサイトとメラニン顆粒を認めた.紅色局面では表皮内の腫瘍細胞巣のメラニン顆粒は乏しく,一部真皮へ腫瘍細胞の浸潤を認めた.紅色結節では表皮から真皮にかけて多形性のある腫瘍細胞の浸潤を認め,メラノサイトやメラニン顆粒は目立たなかった.病理組織学的所見よりBorst-Jadassohn現象をきたした色素性Bowen病から生じた有棘細胞癌と診断した.色素性上皮性腫瘍から低色素性病変が出現した場合,形質転換による悪性度の進行を疑う必要があると考えた.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.