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あとがき
戸倉 新樹
pp.840
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206171
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新型コロナウイルス(以下,コロナ)は皮膚科診療や皮膚科雑誌の編集行動にも影響を与えた.当初,肺炎が主症状であった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,皮膚病変として麻疹様皮疹,水痘様皮疹,蕁麻疹,しもやけ様皮疹,網状皮斑・壊死を示すことがあり,病態的に川崎病にもつながる血管病変を起こすという.一方では,乾癬やアトピー性皮膚炎などで免疫抑制薬や生物学的製剤投与中の患者はコロナに感染した場合にどう対処すべきか議論になり,また皮膚科でも使われているヒドロキシクロロキン,イベルメクチンのCOVID-19に対する効果はどうか,ということも話題となった.さらに,コロナ禍での皮膚科外来の態様,皮膚科レジデントの教育に至るまで論じられている.こうしたテーマに関して,主要な国際雑誌が膨大な数の論文を掲載している.コロナに偏重する出版傾向はもちろんこの感染が最大級の問題になっているためであるが,出版側からしても引用件数が望める論文を採用したいという意図もあるだろう.
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