Japanese
English
症例報告
稀な組織像を呈した苔癬様型皮膚サルコイドの1例
A case of lichenoid type cutaneous sarcoid with rare histopathologic features
栗田 昂幸
1
,
志水 陽介
1
,
中田 茅
1
,
小原 芙美子
1
,
石井 健
1
,
石河 晃
1
Takayuki KURITA
1
,
Yosuke SHIMIZU
1
,
Kaya NAKADA
1
,
Fumiko OHARA
1
,
Ken ISHII
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
苔癬様型皮膚サルコイド
,
サルコイドーシス
,
泡沫細胞
Keyword:
苔癬様型皮膚サルコイド
,
サルコイドーシス
,
泡沫細胞
pp.595-599
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206116
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要約 64歳,女性.4年前から体幹,下肢に自覚症状のない皮疹が出現し,1か月前から全身に拡大した.初診時,頭部,顔面を除く全身に扁平隆起する黄色〜紅色の粟粒大小丘疹が集簇性に多発し,個疹は毛孔非一致性であった.病理組織学的に真皮浅層と脂肪織内に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫がみられ,肉芽腫内には泡沫細胞が混在していた.臨床像と病理所見から苔癬様型皮膚サルコイドと診断した.血液検査上異常値はなく,合併病変はブドウ膜炎のみで肺病変,心病変はなかった.糖尿病,脂質異常症がないにもかかわらず,病理組織像にて肉芽腫内に泡沫細胞がみられたこと,脂肪織内にも肉芽腫形成がみられたこと,リンパ球浸潤が多くみられたことなど通常のサルコイドーシスとしては稀な組織所見を伴っていた.非定型的なサルコイドーシスの成因・予後等に関して今後の解析の一助となることを期待する.
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