Japanese
English
症例報告
ヨウ化カリウム内服で消退がみられたMycobacterium marinum皮膚感染症の1例
Cutaneous Mycobacterium marinum infection with complete remission with oral potassium iodide
中野 小百合
1
,
小笹 美蘭
1
,
浅井 令奈
1
,
簗場 広一
1
Sayuri NAKANO
1
,
Miran OZASA
1
,
Reina ASAI
1
,
Koichi YANABA
1
1東京慈恵会医科大学飾医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, The Jikei University Katsushika Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
非結核性抗酸菌感染症
,
ヨウ化カリウム
,
深在性真菌症
,
DNA-DNA hybridization
,
Mycobacterium marinum皮膚感染症
Keyword:
非結核性抗酸菌感染症
,
ヨウ化カリウム
,
深在性真菌症
,
DNA-DNA hybridization
,
Mycobacterium marinum皮膚感染症
pp.531-535
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206099
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要約 70歳,女性.30年来の熱帯魚飼育と家庭菜園の趣味あり.初診1〜2か月前より,右手2指に有痛性の紅斑を認め,増数したため,当科を受診した.初回皮膚生検にて肉芽腫性変化を認めた.皮膚病変は増し,皮膚の抗酸菌や真菌症などを考え,皮膚組織培養と2回目皮膚生検を施行した.スポロトリコーシスを想定し,ヨウ化カリウムの内服を開始した.抗酸菌培養にてMycobacterium marinumが確認されたが,ヨウ化カリウム内服のみで病変が明らかに消退傾向だったことより同治療を継続し,計5か月内服した.内服開始から8か月半後に皮膚病変の完全消退を確認し,以後再燃なし.過去の報告にて,スポロトリコーシス以外の皮膚感染症に対して,ヨウ化カリウムのみで加療を行ったものは3例確認された.非結核性抗酸菌症などの皮膚感染症における,ヨウ化カリウムの有用性について今後も報告が集積されることが期待される.
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