Japanese
English
症例報告
肺病変を伴った皮膚疣状結核の1例
A case of warty tuberculosis with pulmonary tuberculosis
稲田 有亮
1
,
金澤 伸雄
1
,
山本 有紀
1
,
赤松 啓一郎
2
,
神人 正寿
1
Yusuke INADA
1
,
Nobuo KANAZAWA
1
,
Yuki YAMAMOTO
1
,
Keiichiro AKAMATSU
2
,
Masatoshi JINNIN
1
1和歌山県立医科大学皮膚科
2和歌山県立医科大学呼吸器内科・腫瘍内科
1Department of Dermatology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
2Department of Respiratory Medicine and Oncology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
キーワード:
皮膚疣状結核
,
肺結核
Keyword:
皮膚疣状結核
,
肺結核
pp.525-529
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206098
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要約 44歳,男性.初診の7か月前から両側鼠径部・臀部に疼痛を伴う紅斑が出現し市販の外用薬を塗布した.症状改善ないため近医を受診し皮膚疣状結核が疑われ,精査加療目的に当院を紹介された.特徴的な皮膚所見と病理検査における真皮上層の類上皮細胞肉芽腫の存在に加え,結核菌抗原ペプチドに対するT細胞のIFN-γ産生陽性と皮膚組織のPCR検査でのMycobacterium tuberculosis検出により皮膚疣状結核と確定診断した.他臓器病変を検索したところ肺に結核を疑う粒状像を認め,喀痰PCR検査でもMycobacterium tuberculosisが検出されたため肺結核の合併と診断した.初診後10日目に肺結核治療に準じて4剤併用療法を開始し,皮膚所見・肺症状ともに改善をみた.治療抵抗性の隆起性皮疹をみた場合には,皮膚疣状結核を鑑別疾患に挙げる必要がある.また,皮膚結核の症例においては,明らかな他臓器症状がなくても全身検索が望ましいと考える.
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