Japanese
English
症例報告
ミノサイクリン内服で著明に縮小したブルーリ潰瘍の1例
A case of Buruli ulcer successfully treated with oral administration of minocycline
鎗山 あずさ
1
,
米井 希
1
,
口広 智一
2
,
宮本 友司
3
,
深野 華子
3
,
石井 則久
4
Azusa YARIYAMA
1
,
Nozomi YONEI
1
,
Tomokazu KUCHIBIRO
2
,
Yuji MIYAMOTO
3
,
Hanako FUKANO
3
,
Norihisa ISHII
4
1公立那賀病院皮膚科
2公立那賀病院臨床検査科
3国立感染症研究所
4国立療養所多磨全生園
1Division of Dermatology, Naga Hospital, Kinokawa, Japan
2Division of Clinical Labolatory Examination, Naga Hospital, Kinokawa, Japan
3National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan
4National Sanatorium Tama Zensho-en, Higashimurayama, Japan
キーワード:
非結核性抗酸菌症
,
ブルーリ潰瘍
,
ミノサイクリン
Keyword:
非結核性抗酸菌症
,
ブルーリ潰瘍
,
ミノサイクリン
pp.447-452
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206079
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要約 40歳台,男性.初診の約6か月前に左上腕伸側に皮下結節を自覚した.徐々に拡大し,潰瘍を形成した.初診時,左上腕伸側に1.5cm大の皮膚潰瘍を認め,周囲に皮下硬結を伴っていた.潰瘍部からの生検組織片を2%小川培地にて30℃で培養したところ,4週目にコロニーの発育を認めた.菌株の遺伝子解析によりMycobacterium ulcerans subsp. shinshuenseによるブルーリ潰瘍と診断した.ミノサイクリン内服で著明に縮小し,外科的治療を要さずに治癒した.ブルーリ潰瘍の患者の多くはアフリカに集中しているが,2018年までに本邦でも70名の患者が報告されている.慢性に経過する皮膚潰瘍では本疾患を鑑別に入れた検索が必要である.DNA-DNA hybridization法ではM. ulceransと M. marinumは鑑別できないため,ブルーリ潰瘍を疑う場合には積極的にPCR検査を行う必要がある.
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