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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
2.皮膚疾患の病態
慢性蕁麻疹と血液凝固反応
Chronic spontaneous urticaria and the blood coagulation cascade
亀頭 晶子
1
,
柳瀬 雄輝
1
,
秀 道広
1
Akiko KAMEGASHIRA
1
,
Yuhki YANASE
1
,
Michihiro HIDE
1
1広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Biomedical and Health Sciences, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
キーワード:
慢性蕁麻疹
,
血液凝固異常
,
ヒスタミン
,
組織因子
,
血管内皮細胞
Keyword:
慢性蕁麻疹
,
血液凝固異常
,
ヒスタミン
,
組織因子
,
血管内皮細胞
pp.53-57
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206013
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summary
近年,慢性蕁麻疹の病態と血液凝固異常の関係が指摘されているが,組織損傷などなしに局所で血液凝固反応が亢進する機序と,それに次ぐ膨疹形成機構は明らかにされていない.われわれは局所における外因系凝固の引き金となる組織因子(Tissue factor:TF)に着目し,慢性蕁麻疹の増悪因子の1つである感染に関与する細菌由来成分(lipopolysaccharide:LPS)とヒスタミンによる,血管内皮細胞のTF発現と血管透過性に対する影響について検討した.その結果,これらの分子が単独で血管内皮細胞に作用した場合に比べ,同時に作用することで血管内皮細胞上のTF発現が相乗的に増加した.さらに,相乗的に血管内皮細胞上に高発現したTFは,血漿中の凝固因子を活性化し,それらが血管内皮細胞に働くことで血管透過性が亢進し,蕁麻疹の発症に寄与し得ることを示した.
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