Japanese
English
症例報告
腰部に生じたproliferating trichilemmal tumorの1例
A case of proliferating trichilemmal tumor on the lumbar region
平松 功太郎
1
,
梅本 淳一
1
,
田尻下 明依
1
,
山川 浩平
1
,
合田 聖子
1
,
河野 克之
1
Kotaro HIRAMATSU
1
,
Junichi UMEMOTO
1
,
Mei TAJIRIKA
1
,
Kohei YAMAKAWA
1
,
Seiko GODA
1
,
Katsuyuki KAWANO
1
1国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院皮膚科
1Division of Dermatology, Yokosuka Kyosai Hospital, Yokosuka, Japan
キーワード:
増殖性外毛根鞘性腫瘍
,
proliferating trichilemmal tumor
,
WHO分類
,
腰部
Keyword:
増殖性外毛根鞘性腫瘍
,
proliferating trichilemmal tumor
,
WHO分類
,
腰部
pp.335-339
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205990
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要約 70歳,女性.5年前より自覚症状のない腰部の腫瘤が出現し,最近になり急速に増大したため当科に紹介され受診した.左腰部やや後面に45mm大,暗紫色,表面平滑で一部びらんのある,弾性硬,可動性良好な隆起性腫瘤を認めた.局所麻酔下に全摘術施行した.病理組織学的には腫瘤内部に多房性の囊腫を有し,囊腫壁内腔にtrichilemmal keratinizationを認めた.また腫瘤被膜を超えて核異型のある腫瘍細胞の浸潤を認めたことから,悪性化したproliferating trichilemmal tumor(PTT)と考えた.また第4版WHO分類ではPTTの範疇にmalignant proliferating trichilemmal tumor(mPTT)も含まれるため本症例の診断名はPTTとした.術後9か月,局所再発およびリンパ節腫脹はなく,PET/CTで再発所見はない.自験例のように急激な拡大を伴うPTTは,囊腫壁外の浸潤や転移の恐れがあるため,早期に切除を検討する必要がある.また腰部に発症したPTTの報告は本邦4例目であり,稀な症例と考えた.
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