Japanese
English
症例報告
頚部基部に生じたmalignant proliferating trichilemmal tumorの1例
A case of malignant proliferating trichilemmal tumor arising on the basis of neck
鬼頭 由紀子
1
,
松本 賢太郎
1
,
青島 有美
2
,
津嶋 友央
1
,
伊藤 泰介
1
,
橋爪 秀夫
1
,
戸倉 新樹
1
Yukiko KITO
1
,
Kentaro MATSUMOTO
1
,
Yumi AOSHIMA
2
,
Tomohisa TSUSHIMA
1
,
Taisuke ITO
1
,
Hideo HASHIZUME
1
,
Yoshiki TOKURA
1
1浜松医科大学皮膚科学教室
2国立東静病院皮膚科
1Depertment of Dermatology,Hamamatsu University School of Medicine
2Division of Dermatology,Tohsei National Hospital
キーワード:
malignant proliferating trichilemmal tumor
,
ケラチン
,
インボルクリン
Keyword:
malignant proliferating trichilemmal tumor
,
ケラチン
,
インボルクリン
pp.189-191
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101165
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52歳,男性.2001年4月,右頚部下部に結節性病変が出現し,放置しておいたところ5月30日には4.5×3.5×2.5cmの腫瘤となった.6月,近医にて部分摘出され,上皮系悪性腫瘍が疑われた.残存病変が増大したため,当科紹介受診となった.摘出標本組織像では,真皮から皮下脂肪組織に浸潤する腫瘍細胞が,分葉状あるいは柵状の胞巣を形成していた.胞巣の辺縁は基底細胞様の暗色調細胞,中心部は細胞質の明調な細胞より構成されていた.腫瘍細胞は大小不同で核異型が強く,胞巣の中心部には外毛根鞘性角化を認めた.免疫組織化学的に腫瘍細胞はサイトケラチン(CK)10,CK19,インボルクリンが陽性で外毛根鞘への分化が認められ,malignant proliferating trichilemmal tumorと診断した.頚部CT,頚部MRIにて腫瘍は僧帽筋さらには内頚静脈付近にまで浸潤していた.手術適応はなく,ドセタキセル投与と放射線照射にて加療した.
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