Japanese
English
症例報告
典型的なダーモスコピー所見を呈した顔面肉芽腫の1例
A case of granuloma faciale presenting typical dermoscopic findings
河合 匡子
1
,
吉田 憲司
1
Kyoko KAWAI
1
,
Kenji YOSHIDA
1
1池上総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ikegami General Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
顔面肉芽腫
,
ジアフェニルスルホン
,
ダーモスコピー
Keyword:
顔面肉芽腫
,
ジアフェニルスルホン
,
ダーモスコピー
pp.301-305
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205984
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 26歳,男性.1か月前より右上口唇に自覚症状のない紅色結節が出現した.初診時,右上口唇に1cm大の弾性軟で境界明瞭な半球状に隆起する紅色結節があった.病理組織では真皮全層にわたって好中球,好酸球,リンパ球,組織球など多彩な細胞が密に浸潤しており,臨床像と併せて顔面肉芽腫と診断した.ステロイド外用による治療を行ったが効果が乏しかったため,ジアフェニルスルホン(DDS)75mg/日内服へ変更したところ,結節は徐々に平坦化した.自験例のダーモスコピーでは毛包の開大,毛包周囲のwhitish halo,毛細血管拡張があり,背景は黄色調を呈していた.過去における本症報告例のダーモスコピー所見では毛包の開大,毛細血管拡張が高率でみられ,自験例は典型像と考えられた.自覚症状のない顔面の紅色結節のダーモスコピーで,これらの所見を見た際には顔面肉芽腫を鑑別として考える必要がある.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.