Japanese
English
症例報告
痒疹様皮疹を呈したIgG4関連皮膚疾患の1例
A case of IgG4-related skin disease presenting prurigo-like eruption
永谷 圭
1
,
川口 雅一
1
,
齊藤 亨
1
,
牧野 直彦
2
,
安藤 嘉章
2
,
柿崎 泰明
2
,
菅原 心平
2
,
池田 千咲
2
,
大江 倫太郎
3
,
鈴木 民夫
1
Kei NAGATANI
1
,
Masakazu KAWAGUCHI
1
,
Toru SAITO
1
,
Naohiko MAKINO
2
,
Yoshiaki ANDO
2
,
Yasuharu KAKIZAKI
2
,
Shinpei SUGAHARA
2
,
Chisaki IKEDA
2
,
Rintaro OHE
3
,
Tamio SUZUKI
1
1山形大学医学部附属病院皮膚科学講座
2山形大学医学部附属病院内科学第二講座
3山形大学医学部附属病院病理学講座
1Department of Dermatology, Yamagata University Faculty of Medicine, Yamagata, Japan
2Department of Gastroenterology, Yamagata University Faculty of Medicine, Yamagata, Japan
3Department of Pathological Diagnostics, Yamagata University Faculty of Medicine, Yamagata, Japan
キーワード:
IgG4関連疾患
,
痒疹
Keyword:
IgG4関連疾患
,
痒疹
pp.295-300
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205983
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要約 64歳,男性.3年前から全身に強い瘙痒を伴う皮疹が出現したため,近医を受診し治療を受けたが,難治だった.内科で膵酵素上昇と膵臓の腫瘤を指摘され,精査の結果IgG4関連疾患が疑われた.皮疹について当科に紹介された際には両眼瞼が腫脹しており全身に痒疹様丘疹が多発していた.生検で真皮内に多数のIgG4陽性形質細胞の浸潤を認め,IgG4関連疾患包括診断基準に照らし合わせ,IgG4関連疾患に伴う皮疹と診断した.プレドニゾロン内服にて皮疹と膵臓の腫瘤は速やかに消退し,ステロイドを緩徐に減量しているが,再燃は認めていない.IgG4関連疾患として痒疹様の皮疹がみられた症例がいくつか報告されている.IgG4関連疾患の初発症状として難治な痒疹様の皮疹を認める場合がある.痒疹を診察した場合に皮膚生検や全身検索を行いIgG4関連疾患を鑑別することは有用であり,早期に確定診断に至る一助となりうる.
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