マイオピニオン
病気になって初めてわかる医師としてのあり方
鶴田 大輔
1
Daisuke TSURUTA
1
1大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学
pp.198-199
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205962
- 有料閲覧
- 文献概要
2018年に二度目のデルマトオーケストラに参加し,ブラームス交響曲第2番の1stホルンを担当した.この曲は,私が高校生のときに初めて好きになった交響曲である.ホルンソロが多数あり,それを克服するために,フルトリプルホルンという大変重量のある楽器を手に入れ,日々練習に励んだ.しかしながら本番1か月前から左腕のしびれ,左手関節屈側のガングリオンなど左腕の異常が出現した.ホルンは左手で持つため負担が大きかったのであろう.本番は無事に終了し,思い出に残る演奏会となった.しかし,代償は大きかった.左手のしびれが永続した.首を動かすと,しびれが増強し,C6-7の頸椎症と考えられた.半年の間,ペインクリニックを含むさまざまな病院を受診し,種々の投薬も受けた.
その日は突然やってきた.2日間で突然体重が4kg増加したのである.思わぬネフローゼ症候群という診断.腎生検も行うため,入院となった.しかし,症状は急激に進み,腎生検結果を待つまでもなく,数日で腎不全となり緊急入院となった.腎生検結果が出るまでに2週間かかったのであるが(電顕も含むため),その間に通常よりは急速な経過をたどったのである.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.