Japanese
English
症例報告
肺小細胞癌の皮膚転移巣に対する緩和治療として放射線照射が奏効した1例
A case of skin metastasis of small cell lung cancer in which palliative radiotherapy was effective
増田 容子
1
,
小林 研太
1
,
横山 知明
1
Yoko MASUDA
1
,
Kenta KOBAYASHI
1
,
Tomoaki YOKOYAMA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shizuoka Municipal Shimizu Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
肺小細胞癌
,
皮膚転移
,
鼻翼転移
,
放射線療法
,
緩和照射
Keyword:
肺小細胞癌
,
皮膚転移
,
鼻翼転移
,
放射線療法
,
緩和照射
pp.165-170
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205953
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要約 88歳,男性.右下葉に悪性を疑う結節影があり,徐々に増大していたが,高齢と高度肺気腫のため治療適応外の判断で経過観察されていた.当科初診の2か月前より右鼻翼の皮疹を自覚.徐々に増大傾向がみられたため受診した.初診時,右鼻翼に15×9mm大,ドーム状隆起する淡紅色結節を認めた.皮膚生検より肺小細胞癌の皮膚転移と診断した.原発の肺癌は無治療で経過観察されていたが,皮膚病変は鼻腔を塞ぐ形で増大傾向あり,鼻腔閉鎖や出血などが予想されたため,緩和的放射線治療の適応と考えた.計52Gyの照射にて腫瘍はほぼ消失した.しかし,原病の進行により転移出現6か月後に永眠された.転移性皮膚腫瘍はしばしば出血などのトラブルを招くため,原発巣の治療が困難な場合でも,物理的閉塞等によるQOL低下をきたす可能性があるが切除困難な腫瘍に関しては,緩和治療として放射線照射などが検討されるべきである.
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