Japanese
English
症例報告
リベド血管症の1例
A case of livedoid vasculopathy
川本 友子
1
,
田上 尚子
1
,
園田 早苗
1
Tomoko KAWAMOTO
1
,
Naoko NAGATA-TAGAMI
1
,
Sanae SONODA
1
1大手前病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ootemae Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
リベド血管症
,
難治性潰瘍
,
分枝状皮斑
,
リバーロキサバン
Keyword:
リベド血管症
,
難治性潰瘍
,
分枝状皮斑
,
リバーロキサバン
pp.29-35
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205926
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 60歳,男性.前医にて難治性下腿潰瘍に対し,1年以上プレドニゾロン20mg/日の内服を行われるも緩徐に拡大していた.診断目的でプレドニゾロンを漸減中止としたところ,症状は急速に増悪した.弾性包帯による圧迫や下肢挙上安静を徹底したが無効であった.病理組織学的に血管炎は認めず,真皮および脂肪織隔壁に多発する血栓像を認めたことからリベド血管症と診断した.アスピリン100mg/日の内服にて拡大は止まるも縮小には至らず効果は不十分であったが,新規抗凝固薬であるリバーロキサバン15mg/日を開始したところ著効,約4か月後には上皮化完了に至った.リベド血管症は網状皮斑や有痛性小潰瘍といった症状に代表されるが,一見うっ滞性難治性潰瘍の像を呈する場合もある.下肢安静や圧迫療法のみでは改善せず抗凝固療法,抗血小板薬を要する例もある.難治性潰瘍を診た際は典型的な経過でなくともリベド血管症の可能性を検討する必要がある.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.