Japanese
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症例報告
ダビガトランが奏効したリベド血管症の1例
A case of livedo vasculopathy successfully treated with dabigatran
松立 吉弘
1
,
仁木 真理子
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
Yoshihiro MATSUDATE
1
,
Mariko NIKI
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima Graduate School, Tokushima, Japan
キーワード:
リベド血管症
,
ダビガトラン
,
脳出血
,
下腿潰瘍
Keyword:
リベド血管症
,
ダビガトラン
,
脳出血
,
下腿潰瘍
pp.759-763
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103759
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要約 51歳,男性.5年前から左下腿の痺れを自覚し,2年前からは両下腿の潰瘍を繰り返していた.初診時,両下肢に網状皮斑があり,左下腿内側には紫斑や不整形潰瘍,白色萎縮性瘢痕を認めた.凝固能の延長はなく,ループスアンチコアグラント,抗カルジオリピン抗体は陰性であった.病理組織学的にはフィブリン血栓の像で,壊死性血管炎は認めなかった.リベド血管症と診断し,ワルファリンカリウム,アスピリンを開始,一時症状は改善したが,再燃・軽快を繰り返した.経過中に脳出血を起こしたため治療は中止し,再燃時にはプレドニゾロン20mg/日,シロスタゾールを投与したが改善しなかった.そこでダビガトランを併用したところ速やかに改善した.リベド血管症の難治例に対するワルファリンカリウムの有効性は近年注目されているが,出血リスクの高い症例やワルファリンカリウムで効果不十分な症例ではダビガトランによる抗凝固療法が新たな治療法になりうると考える.
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