Japanese
English
症例報告
臨床的に悪性腫瘍との鑑別を要した大型のclear cell acanthomaの1例
A case of large clear cell acanthoma clinically resembling malignant tumor
長谷川 道子
1
,
田村 敦志
1
Michiko HASEGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
キーワード:
clear cell acanthoma
,
澄明細胞性棘細胞腫
,
大型
,
ダーモスコピー
,
muskmelon peel
Keyword:
clear cell acanthoma
,
澄明細胞性棘細胞腫
,
大型
,
ダーモスコピー
,
muskmelon peel
pp.1081-1087
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205907
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要約 81歳,女性.初診の2年前,右下腿屈側に瘙痒を伴う褐色調の皮疹が出現した.次第に増大するとともに隆起してきたため,当科を受診した.右下腿屈側に30×25mmの中央部が紅色で辺縁部が黒褐色の腫瘤があり,表面の一部はびらん化していた.ダーモスコピーではマスクメロンの皮のような白色網目状構造があり,網目の間にはred lacunaeやdotted vesselsのように見える鮮紅色の背景が観察された.臨床所見よりエクリン汗孔癌やBowen癌などを疑ったが,生検組織像よりclear cell acanthomaと診断し,切除・全層植皮した.術後,2年経過するが再発はない.本症は臨床像からの診断が困難な腫瘍の1つで,多くは数mm〜2cm以内の小結節を呈する.3cm以上のものはきわめて稀であり,自験例における特徴的なダーモスコピー像と本邦報告53例の集計を併せて報告した.
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