Japanese
English
症例
疣贅状を呈したClear Cell Acanthomaの男性例
A male case of clear cell acanthoma with verrucous appearance
前田 学
1
,
阿南 隆
2
Manabu MAEDA
1
,
Takashi ANAN
2
1八幡病院,皮膚科,郡上市
2札幌皮膚病理診断科,札幌市
キーワード:
clear cell acanthoma
,
疣贅状
,
背部
,
中年男性
Keyword:
clear cell acanthoma
,
疣贅状
,
背部
,
中年男性
pp.753-755
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004605
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42歳,男性。10~20年前より背部右側に疣状結節が生じていたが,自覚症状がなく放置しているうちに増大し,当科を初診した。背部右側に径1.1cmの疣贅状結節を認め,紅褐色調で表面は粗造で疣贅状を呈していた。ダーモスコピー像で点状~ヘアピン様の血管拡張が散見された。尋常性疣贅,老人性疣贅,皮膚付属器腫瘍などを疑い,生検ブレードを用いて全摘生検を施行した。病理組織像は痂皮を伴う表皮に凹凸のある隆起性の病変で,表皮は基底細胞様細胞と有棘細胞様細胞の増殖で肥厚し,増加した角化細胞の一部では胞体がやや淡明となり,胞体内にグリコーゲンを貯留していた。以上より自験例をclear cell acanthomaと診断した。摘出後,数カ月を経過するが,再燃・再発はない。本症は本邦では下肢よりも体幹に好発し,ドーム状の結節例が多い。陰囊部に生じたポリープ状以外に疣贅状の臨床例の報告がないことから,自験例は比較的まれな臨床像といえる。
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