症例報告
Clear cell acanthoma
西堀 由喜子
1
,
石河 晃
1
,
清水 宏
1
,
橋本 隆
1
Yukiko NISHIBORI
1
,
Akira ISHIKO
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
clear cell acanthoma
,
epithelial membrane antigen
,
免疫組織化学
,
皮膚腫瘍
Keyword:
clear cell acanthoma
,
epithelial membrane antigen
,
免疫組織化学
,
皮膚腫瘍
pp.625-627
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901259
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56歳,女性に生じたclear cell acanthomaの1例を報告した.右大腿屈側に直径4mm大の扁平軽度隆起性の赤褐色角化性皮疹を認めた.組織学的には,胞体の明るい大型の細胞集団の増殖により不規則な表皮肥厚を示し,健常部との境界はきわめて明瞭であった.腫瘍細胞はグリコーゲンを豊富に有しており,免疫組織化学的検索では,ケラチン染色およびEMA(epithelial membrane antigen)染色陽性,CEA(carcinoembryonic antigen)染色陰性の結果を得た.Clear cell acanthomaの発生由来には諸説あり,未だ確定されていない.CEA染色陰性よりエックリン汗管由来ではないとする説もあるが,EMA染色陽性であることからエックリン汗管由来説も完全には否定できず,更なる検討を要すると考えられた.
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