Japanese
English
症例報告
ダーモスコピーにて橙黄色領域に蛇行状血管がみられた皮膚限局性結節性アミロイドーシスの1例
A case of nodular localized primary cutaneous amyloidosis with orange-yellowish area with serpentine vessels detected by dermoscopy
八谷 美穂
1
,
小松 広彦
1
,
久保 亮治
2
,
永井 俊弘
3
,
田中 勝
4
,
布袋 祐子
1
Miho HACHIYA
1
,
Hirohiko KOMATSU
1
,
Akiharu KUBO
2
,
Toshihiro NAGAI
3
,
Masaru TANAKA
4
,
Yuko FUTEI
1
1荻窪病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
3慶應義塾大学医学部電子顕微鏡研究室
4東京女子医科大学東医療センター
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
3Electron Microscope Laboratory, Keio University Hospital, Tokyo, Japan
4Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Medical Center East, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚限局性結節性アミロイドーシス
,
橙黄色領域
,
蛇行状血管
,
ダーモスコピー
,
AL蛋白
Keyword:
皮膚限局性結節性アミロイドーシス
,
橙黄色領域
,
蛇行状血管
,
ダーモスコピー
,
AL蛋白
pp.978-982
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205884
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要約 68歳,男性.1か月前から左こめかみに約3cm大の境界明瞭で光沢を呈する鮮紅色から橙黄色の腫瘤があった.初診時,ダーモスコピーで橙黄色領域上に蛇行状血管が散見された.付属器系腫瘍,黄色腫,アミロイドーシス,サルコイドーシスなどを疑い生検を施行したところ,病理組織像で真皮全層に弱好酸性の無構造物質のびまん性の沈着がみられ,これらは特殊染色でアミロイドと判明した.合併症はなく,皮膚限局性結節性アミロイドーシスと診断した.ダーモスコピー所見が記載されている本疾患の報告は,国内外で自験例を含めて3例のみであった.いずれもびまん性の橙黄色から淡紅色の領域に蛇行伸長する血管が散見されたが,色調にばらつきがあり,特異的な所見はなかった.自験例のダーモスコピー像は,背景に境界不明瞭な黄色領域があるものの,黄色味は弱く,脂腺系腫瘍や黄色腫よりもアミロイドーシスやサルコイドーシスなどを想定しえた.ダーモスコピーは非侵襲的で簡便な検査であり,臨床像の類似する鑑別疾患を絞るために,非色素性病変においても積極的に使用すべきであり,今後の同様の症例の蓄積が望まれる.
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