Japanese
English
症例報告
Reticular erythematous mucinosisの1例
A case of reticular erythematous mucinosis
西川 哲史
1
,
武田 芳樹
1
,
平山 真帆
1
,
川内 康弘
1
Tetsushi NISHIKAWA
1
,
Yoshiki TAKEDA
1
,
Maho HIRAYAMA
1
,
Yasuhiro KAWACHI
1
1東京医科大学茨城医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Tokyo Medical University Ibaraki Medical Center, Ibaraki, Japan
キーワード:
reticular erythematous mucinosis
Keyword:
reticular erythematous mucinosis
pp.910-914
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205867
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要約 41歳,男性.1年前より前胸部に暗紫色斑が出現し,徐々に拡大した.瘙痒等の自覚症状はなかった.病理組織では,真皮の血管周囲・付属器周囲に稠密なリンパ球主体の炎症細胞浸潤があり,真皮浅層の膠原線維間の開大がみられた.アルシアンブルー染色で,真皮浅層の膠原線維間にムチンの沈着がみられた.以上の臨床所見および病理組織学的所見より,reticular erythematous mucinosis(REM)と診断した.REMの原因は明らかでないが,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)と合併したという報告は多い.経過観察中,SLEを発症した例もあり,自験例では抗核抗体は陰性であったが,定期的な経過観察を要すると考えられる.また,確立された治療法はないが,抗マラリア薬が有効である可能性が報告されている.自験例では自然軽快がみられており,過去にも自然軽快例があることから,本症において経過をみるというオプションもありうる.
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