Japanese
English
症例報告
顔面脂腺上皮腫を契機に診断に至ったMuir-Torre症候群の1例
A case of Muir-Torre syndrome diagnosed through a facial sebaceous epithelioma
佐藤 正隆
1
,
菊池 信之
1
,
花見 由華
1
,
大橋 威信
1
,
平岩 朋子
1
,
森 龍彦
1
,
山本 俊幸
1
Masataka SATOH
1
,
Nobuyuki KIKUCHI
1
,
Yuka HANAMI
1
,
Takenobu OHASHI
1
,
Tomoko HIRAIWA
1
,
Tatsuhiko MORI
1
,
Toshiyuki YAMAMOTO
1
1福島県立医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Fukushima Medical University School of Medicine, Fukushima, Japan
キーワード:
脂腺系腫瘍
,
内臓悪性腫瘍
,
ミスマッチ修復遺伝子
,
免疫組織化学染色
,
リンチ症候群
Keyword:
脂腺系腫瘍
,
内臓悪性腫瘍
,
ミスマッチ修復遺伝子
,
免疫組織化学染色
,
リンチ症候群
pp.420-424
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104023
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要約 63歳,女性.50歳時に子宮体癌,62歳時に上行結腸癌の既往があり,父に胃癌,姉に卵巣癌の家族歴がある.2年前から左頰に皮疹が出現し増大したため当科を受診した.13×8mmのびらん,痂皮を伴う橙黄色結節を認めた.病理組織学的に表皮から連続性に泡沫状胞体をもつ脂腺細胞と基底細胞様細胞が混在する胞巣を認め,脂腺上皮腫と診断した.Muir-Torre症候群を疑い,DNAミスマッチ修復遺伝子蛋白の免疫組織化学染色を施行した結果,腫瘍細胞核におけるhMLH1発現欠失を認めた.hMSH2と比べhMLH1遺伝子異常によるMuir-Torre症候群の頻度は低い.DNAミスマッチ修復遺伝子蛋白の免疫組織化学染色は比較的容易かつ迅速にスクリーニングできるため,その結果を踏まえ,遺伝子検査を検討するのがよいと考えた.
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