原著
Reticular Erythematous Mucinosis Syndrome
稲垣 安紀
1
,
長田 浩行
1
,
武井 洋二
1
,
幸田 衞
1
,
植木 宏明
1
,
福屋 崇
2
Yasunori INAGAKI
1
,
Hiroyuki NAGATA
1
,
Yoji TAKEI
1
,
Mamoru KOHDA
1
,
Hiroaki UEKI
1
,
Takashi FUKUYA
2
1川崎医科大学皮膚科教室
2川崎医科大学人体病理学I教室
1Department of Dermatology, Kawasaki Medical School
2Department of Human Pathology I, Kawasaki Medical School
pp.237-240
発行日 1986年3月1日
Published Date 1986/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203420
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要約 60歳,男性,会社員,前胸部と背都に軽度の瘙痒を伴う網状浸潤性紅斑と色素沈着を認めたreticular erythematous mucinosis syndrome(Steigleder;19741〜3))の1例を報告した.全身状態は良好であったが,臨床検査上,境界型糖尿病および脂肪肝の所見を認めた.日光過敏を思わせる所見は得られなかった.背部の病変の病理組織検査上,表皮に著変はなく,真皮最上層を除く中下層にalcian blue染色陽性,toluidine blue染色で異染性を示し,hyaluronidase感受性で,mucicarmine染色陰性のムチン沈着を認めた.また,同部に一致してbipolar fibroblastを少数認めた.真皮内の血管周囲および付属器周囲には小円形細胞浸潤を認めた.病変部に対する日光照射を避けるように生活指導を行い,ステロイド剤外用および抗ヒスタミン剤の内服により瘙痒と紅斑の減少を認めたが,局所の浸潤は消失していない.
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