Japanese
English
症例報告
早期の治療介入が有用であった禿髪性毛包炎と考えた好中球性瘢痕性脱毛症の1例
A case of neutrophilic cicatricial alopecia, most possibly folliculitis decalvans, successfully managed by early intervention
上原 沙織
1
,
石川 秀幸
1
,
渡邊 友也
2
,
池澤 優子
1
Saori UEHARA
1
,
Hideyuki ISHIKAWA
1
,
Tomoya WATANABE
2
,
Yuko IKEZAWA
1
1茅ヶ崎市立病院皮膚科
2湘南東部クリニック皮膚科
1Division of Dermatology, Chigasaki Municipal Hospital, Chigasaki, Japan
2Division of Dermatology, Shonan Toubu Clinic, Chigasaki, Japan
キーワード:
禿髪性毛包炎
,
頭部慢性膿皮症
,
原発性瘢痕性脱毛症
,
黄色ブドウ球菌
Keyword:
禿髪性毛包炎
,
頭部慢性膿皮症
,
原発性瘢痕性脱毛症
,
黄色ブドウ球菌
pp.767-772
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205836
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要約 79歳,男性.初診3か月前より頭部に皮疹が出現し,前医にてミノサイクリン内服等で加療されたが拡大傾向を認めたため,当科を紹介され受診した.頭部に角化や小脱毛斑を伴う浸潤性紅斑を認め,病理結果より好中球性原発性瘢痕性脱毛症,なかでも禿髪性毛包炎(folliculitis decalvans)と考えた.プレドニゾロン20mg/日,ロキシスロマイシンの内服を行い,紅斑,小膿疱は消退した.その後,プレドニゾロンの減量により再燃したため,ロキシスロマイシンを再開し寛解した.自験例は発症早期に治療を開始することで,瘢痕性脱毛は残存したが多くの毛包を残すことができた.紅斑や自覚症状を伴う炎症性の脱毛斑を診た場合には本症の可能性を疑い,発症早期に紅斑や脱毛斑辺縁の有毛部などから皮膚生検を行い,不可逆性の瘢痕性脱毛に至る前に治療を開始することが重要である.
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