Japanese
English
症例報告
肝細胞癌に対する経肝動脈腫瘍塞栓術の合併症として皮下硬結および潰瘍を生じた1例
A case of cutaneous ulcer caused by transcatheter arterial embolization for the treatment of hepatocellular carcinoma
永井 弥生
1
,
曽我部 陽子
2
,
小島 明
3
Yayoi NAGAI
1
,
Yoko SOGABE
2
,
Akira KOJIMA
3
1利根中央病院皮膚科
2群馬大学医学部皮膚科学教室
3桐生厚生総合病院内科
1Department of Dermatology, Tone Central Hospital
2Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
3Department of Internal Medicine, Kiryu Kosei General Hospital
キーワード:
経肝動脈腫瘍塞栓術
,
肝細胞癌
,
皮膚潰瘍
,
皮下硬結
Keyword:
経肝動脈腫瘍塞栓術
,
肝細胞癌
,
皮膚潰瘍
,
皮下硬結
pp.564-566
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904016
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69歳,男性.肝細胞癌に対して第3回目の経肝動脈腫瘍塞栓術(TAE)が施行され,1か月半後に上腹部に皮下硬結を生じた.さらに第4回目のTAEが施行され,10日後に再度皮下硬結が生じ,潰瘍化した.いずれも既報告例と異なり,右肝動脈からTAEが施行されていた.このような皮膚障害の原因とされている肝鎌状靱帯動脈は血管造影時には描出されておらず,またTAE施行後長期経過して発症していた.塞栓物質が描出されない異常動脈を介して皮膚障害をきたした可能性や,頻回のTAEにより側副血行路が形成され,これを介して発症した可能性が考えられた.
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