Japanese
English
症例報告
多発皮膚潰瘍を形成した節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型の1例
A case of extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type with multiple cutaneous ulcers
椎山 理恵
1
,
長村 義之
2
,
石橋 正史
1
Rie SHIIYAMA
1
,
Yoshiyuki OSAMURA
2
,
Masafumi ISHIBASHI
1
1日本鋼管病院皮膚科
2日本鋼管病院病理診断科
1Division of Dermatology, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
2Division of Pathology, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
NK/T細胞リンパ腫
,
鼻型
,
多発潰瘍
,
Epstein-Barr virus
Keyword:
NK/T細胞リンパ腫
,
鼻型
,
多発潰瘍
,
Epstein-Barr virus
pp.729-734
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205825
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 79歳,男性.20年前に喉頭蓋の悪性リンパ腫に対し化学療法治療歴がある.2018年2月頃より左下腿内側に疼痛・皮下硬結を伴う紅斑が出現し,皮膚生検にて皮下脂肪織内の静脈血栓形成と小静脈の血管壁に細胞浸潤を認め,血栓性静脈炎と診断した.しかし,その後38℃以上の間欠的な発熱と鼻出血が継続した.生検部位は潰瘍となり,陰部・右上腕内側にも壊死を伴う紅斑が出現し拡大した.再度皮膚生検を施行した結果,真皮・脂肪織に小型〜大型の異型リンパ球浸潤を認め,免疫染色で腫瘍細胞がCD3+,CD56+,CD30+,ISH法でEBER+であり,節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型と診断した.精査加療目的に他院血液内科へ紹介後,PET検査で皮膚,咽頭,肺,骨への集積を認め,化学療法を開始したが転院から3か月後に血球貪食症候群をきたし永眠された.急激な臨床経過で確定診断に至らない場合は何度も生検し,積極的な精査が肝要である.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.