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文献紹介 Spitz母斑のダーモスコピー所見とその管理
太田 志野
1
1慶應義塾大学
pp.798
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205528
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良性腫瘍であるSpitz母斑と悪性黒色腫はいずれもSpitz様の臨床像やダーモスコピー所見を呈すため,臨床的な鑑別や管理に関して臨床医の中でいまだに議論が分かれている.加えて,組織学的にSpitz母斑か悪性黒色腫か診断できない腫瘍(atypical Spitz tumour:AST)も存在する.本研究はSpitz母斑のダーモスコピー所見の分類を最新化し,Spitz様病変の管理方法を提案することを目的とした.
Spitz母斑のダーモスコピー所見について述べられた15の文献を分析した結果,Spitz母斑のパターンは色,構造が左右対称であり,主なダーモスコピー所見はstarburst pattern(51%),規則的なdotted vessels(19%),網状脱色素を伴うglobular pattern(17%)であった.Spitz様病変の中で年齢が高い場合や,結節性病変の場合に悪性黒色腫である確率が上がることも示された.すなわち,左右対称性のSpitz様病変が悪性黒色腫である確率は12歳未満ではきわめて稀なのに対し12歳以上30歳未満では7%,50歳以上では50%と上昇した.さらに,平坦病変では12%であるのに対し結節性病変では32%であった.
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