Japanese
English
症例報告
Sertoli-Leydig細胞腫の摘出により症状の改善をみた女性型脱毛症の1例
A case of female pattern hair loss improved after the surgical removal of Sertoli-Leydig cell tumor
吉池 沙保里
1
,
福山 雅大
1
,
長内 喜代乃
2
,
大森 嘉彦
3
,
大山 学
1
Saori YOSHIIKE
1
,
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Kiyono OSANAI
2
,
Yoshihiko OHMORI
3
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部産婦人科学教室
3杏林大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Gynecotocology, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan
3Department of Pathology, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
ホルモン産生腫瘍
,
Sertoli-Leydig腫瘍
,
女性型脱毛症
,
高アンドロゲン血症
Keyword:
ホルモン産生腫瘍
,
Sertoli-Leydig腫瘍
,
女性型脱毛症
,
高アンドロゲン血症
pp.451-456
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205443
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要約 69歳,女性.初診の約3年前より頭頂部の脱毛を自覚し,徐々に進行したため当科受診した.頭頂部にLudwig分類IIの脱毛を認め,ダーモスコピーで毛幹径の不均一性がみられた.体毛の増加と陰核肥大を伴い,血液検査でテストステロンが高値であったことからホルモン産生腫瘍の合併を疑った.精査にて左卵巣に腫瘍が発見され,摘出術を施行した.摘出標本の病理組織像で異型なSertoli細胞とLeydig細胞の増生を認め,Sertoli-Leydig細胞腫と診断した.腫瘍摘出後,ホルモン値は速やかに低下し,術後3か月後には脱毛症状も改善した.女性型脱毛症は原因不明であることが多いが多毛などの男性化徴候を見た場合には,高アンドロゲン血症の可能性を考え基礎疾患を検索することが重要である.原因疾患の治療により脱毛症状の改善が期待できる.
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