Japanese
English
症例報告
Cystic panfolliculomaの1例
A case of cystic panfolliculoma
久住 藍
1
,
甲斐 浩通
1
Ai KUZUMI
1
,
Hiromichi KAI
1
1河北総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kawakita General Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
panfolliculoma
,
cystic panfolliculoma
,
毛包分化
,
毛包系腫瘍
Keyword:
panfolliculoma
,
cystic panfolliculoma
,
毛包分化
,
毛包系腫瘍
pp.445-449
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205442
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 60歳,女性.4年前より左眉部に小結節が出現した.数回腫れたことがあった.皮膚常色,6mm大の小結節で,中央に陥凹を伴っていた.病理組織像では,拡張した毛包漏斗部を取り囲むように囊胞構造がみられた.囊胞壁には,毛包漏斗部構造を模した角質囊腫,毛包峡部構造を模した外毛根鞘性角化,内毛根鞘・外毛根鞘への分化を呈する細胞,毛球様の構造,毛皮質への分化を示唆する陰影細胞など,毛包分化のすべての構造がみられ,cystic panfolliculomaと診断した.Cystic panfolliculomaは主に頭部,顔面に生じる良性の毛包系腫瘍である.病理組織学的には,すべての毛包構造への分化傾向を示し,毛包腫,毛芽腫,pilar sheath acanthomaなどとの鑑別が問題となる.Cystic panfolliculomaは稀な腫瘍であるが,頭部や顔面に生じた毛包系腫瘍においては鑑別診断の1つとして考慮する必要があると考えた.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.