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2015年10月2日,私は夢を1つ叶えることができました.当時勤務していた北海道大学病院皮膚科で清水 宏教授のご恩情の下,表皮水疱症外来を開設できたのです.それまで北海道大学病院では,表皮水疱症患者はさまざまな皮膚疾患患者が受診する一般外来で診療されており,十分な診察時間を確保することが困難でした.また,2010年(平成22年)から在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料が算定されるようになり,表皮水疱症患者が自宅で使用する創傷被覆材等を処方することが可能になりました.その結果,患者に医療材料を適切に処方するため,マンパワーと診察時間をより確保する必要がありました.そのような状況もあり,時間当たりの予約患者数を制限し,表皮水疱症患者を詳細に診察するため,表皮水疱症外来を開設しました.たくさんのコメディカル,パラメディカルに支えられ,藤田靖幸講師とともに表皮水疱症外来で診察を行い,これまでに20名以上の表皮水疱症患者を診療しています.また昨今,日本医療研究開発機構(AMED)主導の下,希少な疾病や難病を克服するための治療法の開発が推進されており,表皮水疱症に対する治験や臨床研究もこの表皮水疱症外来では積極的に行っています.
私は2017年4月から阿部理一郎教授のおられる新潟大学皮膚科に赴任いたしました.新潟大学病院は北海道大学病院と違い,表皮水疱症患者があまり多くありません.そのため,新潟大学病院では表皮水疱症外来ではなく,遺伝性皮膚疾患外来を開設させていただいています.新潟大学皮膚科の先生と一緒に遺伝性皮膚疾患患者を診察し,ともに臨床力を養っていきたいと考えています.これからも皮膚疾患で苦しむ患者やそのご家族が一人でも笑顔になれるように,努力したいと存じます.
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