Japanese
English
症例報告
前腕伸側に多発した皮膚コレステリン肉芽腫の1例
A case of multipule cholesterol granulomas on the extensor forearms
川北 梨乃
1,2
,
水川 良子
1
,
内田 理美
1
,
新田 桐子
1
,
大山 学
1
Rino KAWAKITA
1,2
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Rimi UCHIDA
1
,
Kiriko NITTA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2国立病院機構東京医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Division of Dermatology, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚コレステリン肉芽腫
,
脂質異常症
,
異物肉芽腫
,
脂腺囊腫
,
多発
Keyword:
皮膚コレステリン肉芽腫
,
脂質異常症
,
異物肉芽腫
,
脂腺囊腫
,
多発
pp.163-167
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205321
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要約 78歳,女性.既往歴なし.2015年の夏頃より両前腕伸側に紅色調の皮疹を自覚した.近医にてステロイド剤などの外用を行うが改善せず,2016年3月に当科を受診した.初診時,両前腕伸側に2〜3mm大の黄白色調を呈する淡紅色小丘疹が多発散在していた.自覚症状は認めなかった.前腕伸側の小丘疹を3か所全摘し,3か所中2か所で,真皮中層から深層に異物巨細胞を伴う肉芽腫性病変を認め,紡錘形から円形の笹の葉状の裂隙形成を伴い,コレステリン結晶と考えられた.以上より多発性の皮膚コレステリン肉芽腫と診断した.連続切片にて,2か所に脂腺囊腫を認め,特に1か所では皮膚コレステリン肉芽腫と囊腫構造が近接し,脂腺囊腫が前駆病変であった可能性を考えた.精査にて脂質異常症,抗核抗体陽性を確認し,多発性の本症を確認した場合には全身精査を行う必要があると考えられた.
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