Japanese
English
症例報告
皮膚コレステリン肉芽腫の1例
A case of cutaneous cholestelin granuloma
紺野 隆之
1
,
木根淵 智子
1
,
三橋 善比古
1
,
近藤 慈夫
1
Takayuki KONNO
1
,
Tomoko KINEBUCHI
1
,
Yoshihiko MITSUHASHI
1
,
Shigeo KONDO
1
1山形大学医学部情報構造統御学講座皮膚科学分野
1Department of Dermatology,Yamagata University School of Medicine
キーワード:
皮膚コレステリン肉芽腫
,
高脂血症
Keyword:
皮膚コレステリン肉芽腫
,
高脂血症
pp.400-403
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100107
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要約
61歳,女性.5年前に検診で高脂血症を指摘されたが放置.初診の1週間前に両上肢の多発する皮下小結節に気づいた.外傷の既往なし.右上腕屈側に径3mmの白く透見できる硬い皮下結節を3個,左上腕屈側に径3mmの表面褐色で隆起した硬い皮下結節を1個認めた.病理組織像では真皮中層から下層にかけて,内部に紡錘形から円形の裂隙形成のみられる肉芽腫性病変あり.ズダンⅢ染色で裂隙部に一致して橙赤色に染色されたため,皮膚コレステリン肉芽腫と診断した.本症は現在までに10例の報告があるのみである.その多くが慢性の外傷を受けやすい部位に生じており,発症機序に局所の外傷が重要であると推測されている.また,自己免疫疾患の合併例も多い.自験例では,外傷を受けにくい上腕屈側に発症し,自己免疫疾患の合併もないことから,全身的な脂質代謝異常が発症に関与している可能性を考えた.
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