Japanese
English
症例報告
全身性エリテマトーデス様症状と抗dsDNA抗体陽性を示したヒトパルボウイルスB19感染症
Human parvovirus B19 infection showing positive anti-dsDNA antibody and transient lupus-like symptoms
白井 拓史
1
,
浅井 裕子
1
,
齋藤 奈那
1
,
上條 史尚
1
,
木庭 幸子
1
,
奥山 隆平
1
Takushi SHIRAI
1
,
Yuko ASAI
1
,
Nana SAITO
1
,
Fuminao KAMIJO
1
,
Yukiko KINIWA
1
,
Ryuhei OKUYAMA
1
1信州大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Shinshu University School of Medicine, Matsumoto, Japan
キーワード:
ヒトパルボウイルスB19
,
全身性エリテマトーデス
,
成人
,
抗dsDNA抗体
Keyword:
ヒトパルボウイルスB19
,
全身性エリテマトーデス
,
成人
,
抗dsDNA抗体
pp.157-162
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205320
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要約 42歳,女性.初診2か月前から上肢や背部に皮疹が出現した.初診時には発熱や関節痛,両頰の紅斑,口腔内潰瘍があり,白血球減少と補体低下を認め,抗核抗体,抗dsDNA抗体が陽性であった.病理組織学的に,液状変性とともに血管および付属器周囲にリンパ球浸潤があり,ループスバンドテストが陽性であった.抗ヒトパルボウイルスB19(以下,B19)に対するIgM抗体が陽性であったため,B19感染症をまず考え,対症療法を実施したところ2週間で臨床症状は改善した.初診2か月後の時点では,一過性に日光過敏症とびまん性脱毛がみられ,抗dsDNA抗体が再上昇し,補体の低下が継続したままであった.B19感染症に一過性に全身性エリテマトーデス様の症状を呈することは稀ではないが,自験例では1年以上検査値の異常が続いており,B19感染を契機とする全身性エリテマトーデスの発症に注意すべきと考えた.
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